脳神経細胞エネルギー代謝障害とEGb761
1、グルコ-スの欠乏に対するEGb761の薬理作用

グルコ-スが欠乏すると
・神経細胞エネルギー代謝障害
・脳機能悪化(学習能、記憶)
・認知症
の病態が発生します。

グルコース欠乏のモデル実験(Hoyerの薬理研究:1999年)
・糖尿病に至らない用量のストレプトゾシン(STZ)をラットの脳室内に投与した
・STZ処理後にEGb761(50mg/日)を投与した
・測定項目は「記憶機能」「受動的回避学習能」「高エネルギーリン酸化合物」
・STZ投与群7日後では記憶スコアーが低下したが、EGb761投与群では神経機能が維持され、脳神経細胞のエネルギー代謝維持効果が認められた

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--------------------- このHoyerの研究結果 --------------------
・EGb761はSTZ誘発の記憶障害を抑制した
・EGb761は学習能低下に対し、部分的に回復効果を示した
・EGb761は阻害された脳エネルギー代謝を正常レベルまで回復させた
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これによりHoyer は,EGb761は学習能やエネルギー代謝を改善させ、認知症における脳障害を改善する効果を示したと結論しています。


2、微小循環障害に対するEGb761の薬理作用

微小循環は血液を貯蓄する大切な器官で、障害されると血圧に大きな影響を与えます。
また、熱交換や体の細胞に酸素栄養成分を運搬する働きをし、動脈J硬化や炎症により毛細血管が障害されると、細胞代謝が阻害され、局所的な虚血によって細胞壊死が起きます。特に脳の微小循環障害は学習能力の低下(記憶の障害=認知症)のほか、次のような病態をみ出します。
・酸素欠乏、瀕死のニューロン、一過性の虚血障害、集中力および記憶の障害
・感覚器官(例えば目や耳など)の機能障害、めまいや耳鳴り、突発性難聴など
・視覚および視覚領域の異常

EGb761の微小循環改善に関する臨床試験(Kloppの臨床試験:2002年)
・試験タイプ:薬理効果試験
・患者:老年病科外来の40名の様々な疾患を有する老齢患者
・投与期間:40日
・用量:EGb761 240mgを20名にその他は参照グループ
・試験方法:高品位生体顕微鏡を使用し、皮膚および直腸の同一部位をEGb761投与前と投与後で観察、測定した。

--------------------- Kloppの研究結果 -------------------------
・EGb761は統計的に有意な毛細血管への血液流入および細静脈への潅流を増加させた
・EGb761は組織への血球分布を改善させた
・EGb761は細動脈および細静脈の適応能を向上(血管運動)させた
・EGb761投与の一週間後の検査では、組織酸素分圧の有意な上昇をみせた
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下の写真には、,EGb761によって血液の粘度が低下し血流が改善されたことが示されています。
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# by 30211955 | 2004-12-03 18:12 | 脳神経細胞エネルギー代謝障害
米国立老化研究所(NIH)によりGEM試験
試験方法:無作為割付、プラセボ対照、二重盲検、多施設臨床治験
対象患者:3000名の認知症ではない75歳以上の被験者
試験期間:5年間
投与用量:EGb761の120mg錠を2回投与(240mg/日)、またはプラセボ錠

スケジュール:試験開始2000年10月~試験終了2007年10月
一次エンドポイント:認知症の罹患率(特にアルツハイマー病)
二次エンドポイント:血管性病変の発生率・認知能の変化・死亡率・身体機能の変化
            
*GEM試験の実際
・GEM試験の参加者募集:2000年9月~2002年6月
・総計3,074名の志願者が以下の施設で試験に参加中

    カリフォルニア大学デービス校(カリフォルニア州)
    ジョンホプキンス大学(メリーランド州)
    ピッツバーグ大学(ペンシルバニア州)
    ウエイクフォレスト大学医学部(ノースカロラインナ州)

・1年後では、参加者の95%が試験継続しており、84%が投与継続中。
 GEM試験は認知症の予防について、検討された薬物のなかで最も大規模な試験と
 なっています。
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# by 30211955 | 2004-11-27 13:32 | 認知症予防臨床試験(米)
EPIDOS試験(フランス)
EPIDOSは骨粗しょう症の疫学評価(Epidemiology of Osteoporosis)を意味します。

・この試験には7,598名の75歳以上の女性が参加しています
・初期の目標は高齢な女性の大腿骨頚部骨折のリスク因子を検討することでした。
 4~7年間の多様な健康に関するデータが集められ、その中には様々な病気の治療内容
 が含まれています。
・EPIDOS解析には独立したデータベースを使用しており、老化に伴うさらにすすんだ分析
 に適しています。
・最近では、アルツハイマー型認知症の病気の進展に関与する要因の発見が紹介されて
 います。


アルツハイマーとEGb761についてのEPIDOS試験結果
・714人の女性の認知能に関する状態について紹介された。
・そのうち110人のアルツハイマー病患者の症状が進行した。
・414人の女性(そのうち69人のアルツハイマーの症状が進行した)が、初期段階では
 全く認知能障害を患っていなかった。
・認知症が進行した女性は、認知能が維持された女性に比べ、明らかにイチョウ製品を
 含む向知性薬を使用していなかった。
・ほかの向知性薬と異なり、EGb761は1年間の継続的な投与によって、明らかに有益
 であることがわかった 。
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# by 30211955 | 2004-11-27 13:24 | EPIDOS試験(フランス)
はじめに 【認知症の一番重要な危険因子は老化】
日本は世界の中でも長寿国といわています。
また、世界に類を見ないスピードで急速に高齢化が進んでいる国です。
2003年9月末の時点では、100歳以上の高齢者が20,561人でした。
2025年には65歳以上の人が3300万人にも達すると見込まれています。(国立社会保障・人口問題研究所)

大変喜ばしいことなのですが、そのなかで認知症の患者数も増え、認知症の罹患率は65歳~69歳では1.5%でしたが、85歳以上では27.3%となっています。
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日本では、血管性認知症のほうがアルツハイマー型認知症より多いと考えられてきました。しかし、1995年の調査ではアルツハイマー型認知症43%、血管性認知症30%でした。(日本アルツハイマー病協会調べ)
日本では認知症患者の64%が自宅で家族が介護にあたっているとされています。  (2000年調査)

認知症の危険因子は

・老化(酸化ストレス、ミトコンドリアの障害)
・遺伝子性因子(アポ蛋白-E、アミロイドβ蛋白)
・心血管系因子(高血圧、動脈硬化)
・代謝性疾患(糖尿病)
・うつ病(インシュリン抵抗性、持続性の視床下部-下垂体-副腎系亢進)

この中で一番重要な危険因子は『老化』です。
日本でも痴呆症としてアルツハイマー病が目だって増えてきています。
このアルツハイマー病については、残念なことに現在ではまだ有効な治療法が見つかっていません。治療法は現れた症状を緩和する対症療法が主なものです。
その為、アルツハイマー病は「予防」することが大変重要です。
予防するには、生活スタイルを変えるという方法もありますが、それ以外に薬品や健康食品、薬剤を摂取することで「予防」することができます。

日本では健康食品として販売されていますが、世界60ヶ国以上で医薬品や健康食品として使われているイチョウ葉エキス【EGb761】を摂るのも認知症予防の一手段として知られています。

*【EGb761】はドイツDr.W.シュワーベ製薬が開発したイチョウ葉エキスの商標です。
  様々な薬理作用をもっているイチョウ葉エキス・EGb761ですが、ドイツやその他の国では、血管性痴呆症およびアルツハイマー病の治療薬(医薬品)として認可されています。
ドイツ国内では最も販売額の大きい認知症治療薬です。
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# by 30211955 | 2004-11-27 12:17 | はじめに